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40:いいこと

 かなり古い話だが「1日1度はいいことを〜♪」なんて歌がCMで流れていたのをご存知だろうか?「一日一善」…まぁ一日に一回くらい善いことをしましょうということらしいが、この「善いこと」にも個人差があり、自分では善い事と思っていても他人が見ると余計な事になってしまう恐れもある。「小さな親切、大きなお世話」などという言葉もあるように善かれと思ってやったことが迷惑になってしまったりする。このビミョ〜なところがかなり難しい。ということで最近では「知らぬが仏」ということで見て見ぬ振りが横行してしまう。いわゆる善い事と余計な事はかなり表裏一体なところにあるようで、それなら知らんぷりが一番ということになるのだ。
 こういう私もかなりの「知らんぷり」で「さわらぬ神に祟りなし」の生活をエンジョイしてる訳なのだが、実はそうもいかない事件が起きた。それも今日…。

 結論から言うと「お金を拾ってしまった」のである。
 金額がまたビミョ〜で「1,000円」。この金額はかなりビミョ〜である。拾うべきか、はたまた通り過ぎるか…拾ったら拾ったでそれを警察に届けるか?いや、面倒臭い…通り過ぎたらたぶん誰かが「ラッキー!」ってなもんでネコババする可能性がある。
 こんな事を考えながら私はなぜか素早く拾ってしまった。
 さて、この1,000円をどうしようか?このままポケットに忍び込ませようか…いや、落とした人がもしかしたら後ろから声をかけてくるかもしれない。「もしもし?いま1,000円を拾いませんでしたか?」その時「あ、これですか?」なんておもむろにポケットから取り出したら「コイツ盗むつもりだったな?」なんて思われるかもしれない。ここはしばらく手に持っていよう。っていうか私がお金を拾った事を見ていた人がいるかも知れない…「あ、あの人お金拾ってすぐにポケットにしまった。盗むつもりだ」…やはり手に持っているのが最良だろう。とにかく、拾った1,000円札を握りしめたまま数分歩いた。ん?でも待てよ?こういう「さり気なさ」で歩いているっていうのが「アイツ、金拾ったのにナニ喰わぬ顔で歩いてやがる、トンだ盗人野郎だぜ」などと思われるのではないか?そう感じた私は誰に見せるという訳ではないが思わず1,000円札をひろげてマジマジと見てみた。野口くんだ。そうだ、チョット前に夏目くんから野口くんに変わったのだ。しかし、その裏の鶴さんたちはご健在である。そういえば1,000円札をこんなマジマジと見た事も無いような気がする。しかし、あまりお札をじろじろ見ながら歩いている中年の姿はカッコいいものではない。
 と、こんなことを考えてみた。さっき拾った道を来る前に交差点を真っ直ぐ行くか左に曲がるか一瞬迷った。そしてなんとなく左を選択した。それでこの1,000円である。これはもしかしてラッキーなのではないだろうか?もしかして神様?
…いや、もしこの1,000円を使えるとしよう。ナニを買う?ハッキリ言ってたいした買い物は出来ない…ていうか私は現在そんなにお金に困っている訳ではない。
いやいや、それよりこのお金が偽札だったり重大事件に絡んだお札だったりしたら大変だ。1,000円でコレからの人生が狂ってしまったら大変だ!まだ私はやりたい事が沢山あるのに!
 やっぱり警察に届けよう。「いや〜最近珍しい正直な方ですね」などと警察官に褒められるかも知れない。「いや、当然の事をしたまでです。」あははは。
 少し気が楽になった私にまた不安が襲った。もし、警察官が「1,000円くらいで届けるなよ〜」って顔で応対してきたらどうしよう。なんかTVでやってるよな〜そんなこと…。
 やっぱりこのまま知らん顔…いや、そうしたらこのお金を盗んだ事に…もし偽札で容疑者になってしまったら…ええい!どうしたら〜!!

 ハッキリ言って1,000円札でここまでドラマを作り上げれる自分がスゴイと思うし、かなり小心者だなと情けなくもなって来たりする。
しかしここまで悩むという事はこのお札を持っている限り悩み続けるであろう。やはりここは白目チョップを耐え忍んで届けよう…警察へ…。

 とある近所の交番で…
「す、すみません…お金を拾ってしまった者ですが…」「あ、それはどうもありがとうございます、おいくらですか?」「すみません、1,000円なんですが…」「わかりました、手続きしますのでお掛け下さい…」「あ、すみません」…と、悪い事した訳でもないのにかなり謝る回数が増えている私に、事務的ではあるが好意的に接してくれる警察官を見て「あ〜やっぱり届けてよかった〜」と思った。やはり警察屋さんは市民の味方だ。
 ひと通りの事務手続きが終わり、帰り際に「本当にありがとうございました」と3人中3人の警察官が私に声をかけてくれた時に「いえ、コチラこそ苦悩から解放してくれてありがとう」と言いたかったが、「いえ、どうもすみませんでした」とまた何故か謝ってしまった。しかし帰り道はとても晴れやかだった。

 やっぱり善いと思った事はやったほうがいい。あれこれ考えるからこじれる訳であって善いと思った事は善い事なのだ(本来当たり前なのだが)。そう感じた日であった。
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by tadapymac | 2007-03-26 22:46 | Addition | Trackback | Comments(1)